木材は紡錘形の細胞が束となるような構造をしています。紡錘形の長手方向には優れた力学性能を有しますが、短手方向(繊維直交方向)に荷重が作用した場合は容易に変形してしまいます。この研究では、細胞内に予め樹脂を含浸することで、繊維直交方向での圧縮性能が大幅に向上することを明らかにしました。
建築物や家具などに木材を使う場合では、荷重が作用してもできるだけ変形しない、頑丈な造りであることが求められます。木材の繊維直交方向圧縮は、力学的弱点の一つとされてきましたが、樹脂含浸を施すこで克服できる可能性が示されました。
https://jwoodscience.springeropen.com/articles/10.1186/s10086-024-02142-4