研究内容



河岸洋和

菌類(主にキノコ)が産生する生体機能調節物質の生物有機化学・生化学的・研究を行っている。様々なバイオアッセイを駆使して、キノコ抽出物の生体調節機能を発見する。そして、そのアッセイの結果を指標に活性物質を単離・精製し、構造や活性発現機構を明らかにする。対象となる物質は高分子(タンパク質)から低分子物質まで幅広い。現在の主要テーマを以下に挙げる。

1. 菌類(主にキノコ)と植物の共生(共存)に関わる分子の発見
2. 未解明キノコ毒の精製、構造決定、活性発現機構
3. 菌類(主にキノコ)から薬理活性物質の発見
4. キノコの生活環(胞子から菌糸、菌糸から子実体(キノコ)、子実体から胞子)を制御する物質の発見





村田健臣

生体内に存在する糖鎖は、腸内有害菌の感染、免疫細胞の制御、がん細胞転移の亢進、アルツハイマー病(AD)への関連などの様々な生命現象に関わっています。
私たちは、感染阻害、免疫細胞の機能調節機能、がん細胞転の血行性転移阻害機能をもつ新しい糖鎖素材の開発を目的として研究しています。
現在は、下記の主要テーマに取り組んでいます。

1. ピロリ菌生育阻害能をもつ糖鎖ポリペプチドの構築
2. 免疫調節作用をもつ人工ムチンの開発
3. がん移抑制能をもつ糖鎖ペプチドの開発
4. ADの原因となるアミロイドβ凝集を阻害する糖鎖の探索





平井浩文

キノコの仲間である白色腐朽菌は、木材の主要成分であり、かつ、難分解性芳香族高分子であるリグニンを高度に分解出来る唯一の微生物であり、低環境負荷型脱リグニンツールとして期待されるとともに、白色腐朽菌はダイオキシンのような難分解性環境汚染物質分解能も有しており、環境浄化ツールとしても着目されています。
当グループでは、自然界より分離した高活性・高選択性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株によるリグニン分解機構及び環境汚染物質分解機構の生化学的及び分子生物学的解析を進めております。
さらに、地球温暖化や食糧問題の解決に向けて、木質バイオリファイナリー向けた白色腐朽菌株の分子育種、及び高効率環境汚染物質分解菌の分子育種も進めております。





森智夫

木質バイオマスは、地球上で最も豊富に存在する再生可能資源の一つです。この木質バイオマスを完全に分解できる唯一の微生物である白色腐朽菌は、POPs(Persistent Organic Pollutants:残留性有機汚染物質)といった様々な難分解性の環境汚染物質を分解できることでも知られています。また、自然界では様々な細菌と相互に影響し合い、より効率的に木材分解を進めていると考えられています。
この様な、白色腐朽菌や細菌、または複合微生物系による木材分解機構の解明・応用することによって、循環型社会形成に役立つ微生物による木質バイオマスの物質変換技術の構築を目指した研究を行っています。






崔宰熏

フェアリーリング(fairy rings、妖精の輪)を引き起こすコムラサキシメジ(Lepista sordida)から得られた植物成長調節物質2-azahypoxanthine(AHX)とその関連物質imidazole-4-carboxamide (ICA)そしてAHXの植物体内での代謝産物2-aza-8-oxohypoxanthine(AOH)が、あらゆる植物にも内生し、植物中の新しいプリン代謝経路で生合成されることを証明しています。本研究室では、それらの活性物質(fairy chemicals、フェアリー化合物)の生合成を司る新しいプリン代謝経路の全容解明のため、フェアリー化合物の生合成・代謝酵素の同定や関連化合物の探索を目的として研究しています。