教員・研究案内

応用微生物学研究室(徳山)

徳山真治

 応用微生物学研究室では、役に立つ微生物(細菌、放線菌、酵母、糸状菌)に関する研究を行っています。古くから日本では微生物を巧みに利用した発酵食品(清酒、焼酎、麹、みそ、醤油、納豆、漬け物など)が多くあり、現在も発酵食品は私たちの生活に深く関わっています。近年では発酵技術に基づいたバイオテクノロジーの発展に伴い、安全なパン酵母にワクチンを大量に生産させることが可能になっています。そこで研究室では国内外のサンプルから有用微生物を探し出し、次に伝統的な手法(菌株選抜、変異処理)や分子生物学的手法(遺伝子工学、タンパク質工学)を用いて、その有用な機能を発展させる研究を行っています。

1.植物病原菌に有効な微生物の探索
植物病原菌の大部分が糸状菌(カビ)ですが、有害なカビの生育を押さえる有用微生物を探索しています。化学農薬の使用量を極力抑えた栽培法の確立を目的として新規微生物資材の開発を目指しています。

2.ペーパースラッジ(PS)用セルラーゼの探索
PSは再生紙製造課程で生じる短い繊維質を含む産業廃棄物で、富士地区の中小製紙会社だけでも年間約40万トンのPSを処分しています。実はこの40万トンのPSから約2.4 万キロリットル (ドラム缶で12万本) のバイオエタノールが生産可能ですが、PS糖化に適した酵素(セルラーゼ)がありません。研究室ではPSからのバイオエタノール生産を目指して、PS糖化に適した新規セルラーゼを探しています。

3.有用酵素のデザイン
化学コンビナートでは高温、高圧で反応を行い、化学製品を製造しています。一方、酵素を用いた反応は常温、常圧で進行し、安全で環境にも優しい反応ですが、不安定で工業生産に適さない酵素もあります。酵素触媒を用いた安全で地球環境に優しい生産方法の確立を目的として、酵素の触媒機能と構造の関係について研究し、実用的な酵素触媒のデザインを目指しています。


静大オリジナル吟醸酒「静大育ち」造りのお手伝い


探索した役に立つ放線菌の電顕写真


役に立つ酵素の立体構造モデル

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