教員・研究案内

応用微生物学研究室(小谷)

人類はストレプトマイシンに代表される抗生物質を使い、細菌感染症の治療に役立ててきた。その抗生物質の大半は放線菌と呼ばれる土壌微生物が産生する。また、その二次代謝産物の化学構造は多様であり、人間の化学合成では合成が難しいものも多い。本研究室では、主に放線菌を対象に新しい抗生物質の探索研究およびその生産制御システムの解明など、微生物を人間生活の役に立てるべく研究を行っている。そのテーマは以下のようである。

1. 微生物育種技術を用いた新しい抗生物質の探索  放線菌は多種多様の抗生物質を生産することで、抗生物質探索研究の主な探索源であった。これまで世界中で研究され、新しい抗生物質が発見されにくくなっている。そこで、遺伝子の改変を伴う育種技術を用いることで、これまでにない抗生物質の発見を目指す。

2. 形態分化に関与する物質 ホルモンやフェロモンなどの生命現象の’鍵物質’は、生体内外にごく微量存在し、自己もしくは他生物に対し劇的な作用を引き起こす。生命現象を鍵物質から解き明かし、そのシステムの解明を目指す。研究対象としては形態分化を行う放線菌を用い、形態分化を引き起こす物質の天然物化学・生物有機化学的研究を行っている。さらにはその鍵物質をバイオツールとして利用し、分子生物学的な手法により、形態分化過程において生体内で起こっている現象の完全解明を志向している。

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写真 寒天培地上に生育した放線菌
真中にSapBと呼ばれるシグナル物質を添加すると、気菌糸(白色の部分)の形成が誘導される。

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