教員・研究案内

木質バイオマス利用学研究室

鈴木滋彦・小島陽一・小堀 光

『木質バイオマス利用学研究室』は、木材資源を材料として利用することを大前提として、主に新規木質材料の開発ならびに環境低負荷型の木質材料の製造技術の提案などを行っている研究室です。最近では、木材とプラスチックによる複合材料(WPC)の研究や、ナノファイバー技術を利用した木質材料の開発にも力を入れており、木材の持つ更なる可能性について日々検討をしています。
Keywords: 木質バイオマス、木質材料、セルロースナノファイバー(CNF)、木材プラスチック複合材料(WPC)

最近の研究動向
【1】木質ボード製造に関する研究
 木材を数ミリ~数センチメートルに砕いた細かい屑をチップやパーティクルなどと呼びます。そのチップやパーティクルに接着剤を塗布し、プレス機で熱圧成形したものを“パーティクルボード(PB)”と呼びます。PBは、本棚やその他の家具、建物の床の下地材など、私たちの身近なところで多く使用されている木質材料の一つです。この研究はPBを実際に製造し、製造工程中の温度や水分の挙動を調べることで、より安全かつ効率的な製造技術の確立を目的としています。また、原料に建築解体木材等の廃材を使用することで、再生利用可能な資源としての可能性を更に広げる研究といえます。

【2】セルロースナノファイバー(CNF)を利用した木質材料の開発
 セルロースナノファイバー(CNF)とは、樹木や植物の細胞壁の骨格成分であり、植物繊維をナノサイズまで細かく解砕することで得られる繊維状物質のことです。CNFは鋼鉄の5倍の強度でありながら、5分の1の軽さという優れた特徴を持っています。また、環境、人類にとって安全で安心な天然物であり、様々な分野での応用が期待されています。我々はCNFの持つ強い凝集力に着目し、木粉ボードなどの木質材料に混合することで強固な補強効果をもたらされると考えました。この研究はその補強効果を利用した、より高品質な木粉ボードの開発など、木質材料の品質向上を目的としています。

【3】木材プラスチック複合材料に関する研究
 木粉とプラスチックを混練した“木材プラスチック複合材料(Wood Plastic Composites:WPC)”と呼ばれる材料があります。WPCは現在、世界的に注目されている材料の一つであり、日本でも公園のベンチやデッキ材など様々な用途で使用されています。当研究室では、このWPCの原料の変換やCNF付加による物性への影響など、更なる品質向上や使用用途の多様化を目的とした研究を行っています。

【4】木質パネルの耐久性能評価に関する研究
 ベニヤとは、厚さが数ミリメートルの1枚の薄板のことを指します。また、そのベニヤを繊維方向が直交させて奇数枚積層接着したものを“合板”と呼びます。この合板も、PBと同じように家具や建築資材として使用される他、コンクリートを固めるための型枠などにも使用されます。このような木質パネルを実際に使用した際に、必要な強度を保持できる期間の推定や、劣化した際の強度下限値などの検証が耐久性に関する研究です。当研究室では、主に『屋外暴露試験』や『促進劣化処理』等の劣化処理を施した木質材料の強度試験を行い、耐久性能評価を行っています。

写真1
木質ボード試作の様子(原料:ヒノキ小片)

写真2
木材からセルロースナノファイバー(CNF)を作り出す!

写真3
WPC(木材プラスチック複合材料)とは?

写真4
WPCで試作されたベンチ

トピックス