教員・研究案内

住環境構造学研究室

安村 基・小林 研治

 住環境構造学研究室では、安全で快適な生活を営むための森林資源の利活用に関する教育・研究を目標の一つとしており、環境に多大な影響を及ぼす森林資源の建築への利用に関して、森林から建築部材の製造・加工、建築の設計・施工を大局的に睨んだ持続可能な住宅生産システムの実現に向けて基礎的・応用的研究を行っています。

【1】 直交集成板(CLT)による建築物の耐震性能評価と設計法の検討
 CLT構法は欧州で開発された建築構法で、ひき板をクロスさせて積層接着した壁パネルや床パネルを用いて、共同住宅などの大型木造建築を生産するものです。当研究室では、木造7階建て建築の実大振動台実験を、イタリア国立樹木・木材研究所(IVALSA)に協力して実施し、この構法による建物の耐震性能に関する検討を行なっています。

【2】 木質耐力壁の仮動的実験と応答解析モデルの検討
 構造用合板などの面材を柱や梁に釘打ちした耐力壁(地震に抵抗する壁体)やCLT壁体の地震時の挙動を解析するため、コンピュータ・オンラインシステムによる構造実験を行ない、シミュレーション結果と比較することにより、解析モデルの検証を行ないます。 CLTパネルや接合部などについて、有限要素法解析(FEM)による応力解析を行い、CLTパネルや接合部がどのような応力により、どのように破壊するかを理論的、解析的に調べ、建築物の地震時挙動の推定に役立てます。

【3】 木造建築の環境負荷および快適性に関する調査
 樹木は、空気中の二酸化炭素を吸収して成長するため、他の建築材料と比べて環境への負荷を低減することができます。そこで、新たに建設される木造建築をモニタリングすることにより、木造建築建設による二酸化炭素固定と快適性に関する調査を行います。

【4】 接合部の弾塑性挙動およびレオロジーに関する研究
 建築物には地震のような短期荷重と、積雪荷重や固定・積載荷重などの長期荷重が作用しますが、どちらに対しても十分な性能が求められます。当研究室では木質構造接合部のせん断試験やクリープ試験を行い、接合部の弾塑性挙動とレオロジーについて研究を行っています。

耐力壁の仮動的水平加力実験
7階建CLT建築の実大実験(イタリアとの共同研究としてE-defenseで実施)


耐力壁の実大強度実験

7階建木造建築物の実大振動実験 (イタリア国立樹木・木材研究所との研究協力としてE-defenseで実施)
FEMによるCLTの応力解析

木造建築の環境負荷調査を行なっている特別養護老人ホーム「竜爪園」
環境調査を行った「竜爪園」

木造建築の環境負荷調査を行なっている特別養護老人ホーム「竜爪園」
接合部のクリープ実験

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