教員・研究案内

森林防災工学研究室

土屋 智、逢坂興宏、今泉文寿

森林防災というと山火事を防ぐ研究室なの?と思われるかもしれません。
一般には「砂防」と言ったり、「治山」と言われたりしますが、一言でいうと「水と土と緑の研究室」ということになります。専門用語を使うと、森林水文学、砂防工学および緑化工学に関する調査・研究を行っている研究室です。

【1】森林水文学というのは、森林・山地における水循環過程を解明する分野です。森林は降雨の急激な河川への流出を防ぎ、洪水を緩和する働きがあります。また、森林は土壌中に水を蓄え、河川に安定供給するいわゆる水源かん養機能を有しています。そのような森林の機能を解明するため、森林・斜面・流域における、降雨、浸透、流出、蒸発散という水の移動過程を量と質の両面から調べています。

【2】砂防工学というのは、山地・河川で主に水移動とともに生じる土砂移動現象を対象として、それらによって引き起こされる土砂災害の対策までも含めた研究を行う分野です。土石流の現地観測を行い、その流動実態をとらえたり、衛星データや空中写真からリモートセンシング技術を使い、森林山地の崩壊地の経年変化などを調べています。

【3】緑化工学とは、森林が消失した荒廃地などに積極的に植物を導入し、再び森林を作り出すことを研究する分野です。森林の環境保全機能や侵食・崩壊に対する抑止効果とその限界を知ることは重要です。このため、樹木根の分布、荒廃地における植生遷移や渓畔林の動態に関する調査を行っています。

私たちの研究室では、安倍川、有度丘陵、南アルプス、富士山を始め、山梨、愛知、海外などに出かけて調査・観測を行ったり、屋外で蒸発散の測定や、リモートセンシングを用いた崩壊地の分布や渓畔林の変遷を解析したりしています。
このように山や川などの自然環境を相手に調査・研究を行っているのが私たちの研究室です。

大規模崩壊地・大谷崩(おおやくずれ、日本三大崩れの一つ)の全景
大規模崩壊地・大谷崩(おおやくずれ、日本三大崩れの一つ)の全景

大谷崩一の沢における土石流堆積物の調査風景
大谷崩一の沢における土石流堆積物の調査風景

ヒノキの樹木根系調査の様子(右に90°倒伏)
ヒノキの樹木根系調査の様子(右に90°倒伏)

緑化施工地における植生調査(樹高測定)の様子
緑化施工地における植生調査(樹高測定)の様子

水文観測(流量の観測)における現地計測の様子
水文観測(流量の観測)における現地計測の様子

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