教員・研究案内

天然物有機化学研究室

轟 泰司、大西利幸

この研究室では植物が作り出したナノサイズの天然有機化合物や,これによく似た形や機能をもつ分子を人工的に合成しています。分子:ナノの世界に迫ることで生命の営みがわかってくるのです。いずれのテーマも,「化学の手法を用いて生物現象を解明する」という生物有機化学,ケミカルバイオロジーの概念を基本にし,化学と生物のインターフェースが研究対象です。実験も遺伝子操作,酵素反応,有機合成,天然有機化合物の単離・構造決定,機器分析,生物試験など多岐にわたり,化学と生物の両方を学ぶ事ができるというのが,この研究室の最大の特徴です。

1.植物の環境ストレス耐性をコントロールする分子を開発しています
 植物が乾燥や高塩,低温ストレスにされされたときに増加して植物を守る働きをする植物ホルモン・アブシジン酸(ABA)の分解を抑える分子(アブシナゾール)を開発しています。植物が環境ストレスにさらされる前にこれを植物に与えて植物体内のABA量をあらかじめ増やしてやれば,干ばつや塩害,冷害を未然に防ぐことが可能になります。その他,植物の生育や生理機能を自在にあやつれる様々な分子をつくっています。 



芝にアブシナゾールを噴霧しておくと,水が不足しても枯れません。

2.植物が生み出す有用物質がいつ、どこで、どのように生合成されるのか?その謎に取り組んでいます
植物は、紫外線などの環境ストレス、害虫や病原菌などの外敵から身を守る能力の一つとして「二次代謝産物」と呼ばれる植物成分を多様に含み、人間は植物が作り出す二次代謝産物を医薬や食品として利用しています。我々は植物が生み出す二次代謝産物をより活用するために、二次代謝産物の生合成経路を明らかにし、植物に頼らす有用成分を作り出すことを目指しています。


植物が生み出す多様な二次代謝産物

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